中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
お知らせ
 
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 ☆ 「これまでのライブ履歴」

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久々の帰郷(2) 村に戻ったエン先生の甥

(前回からずいぶんあいだが開いてしまいましたが、夏に帰郷したときのお話)

いつも昆明に来ると、雲南芸術学院の先生に挨拶し、古い友人たちに一通り再会してからタイ族の村へ出発する。だが、今回は昆明で連絡がつかない友人がいた。エン先生に姿もしぐさもそっくりのタイ族の友人アイスー。エン先生の甥にあたる。彼のつくる楽器は人柄と同じ優しく柔らかい音を響かせる。

ほかのエン先生の弟子に連絡してみると、どうやら奥さんと幼い娘を連れて村に戻ってしまったという。これはどうしたものかと気がかりになった。教えてもらった新しい携帯番号にかけると、電話越しに彼の元気な声が聞こえた。
「村に帰って工房をひらいたんだ。」

彼は夢の実現に向け、都会生活にくぎりをつけて田舎にもどったのだった。


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昆明の友人宅にて
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ワン母が呟いた引退 ③


彼女が今、残り少ない人生で使命感に燃えることは、
先人たちが書き残した書物を読み、そのなかから美しい言葉の業を確認し、
伝統的知識と美しい言葉にあふれる書物を、「改良文字」をつかって書き直すこと。
さらに、その書物を朗誦し、録音資料を残すこと。

簡単な作業にも聞こえるが、想像以上に困難な壁が立ちはだかる仕事だ。


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とある村の儀礼にて。夜遅くまで掛け合いのうたをうたう。
ワン母が呟いた引退 ②


小さな山を上りながら、僕とワン母とぎれとぎれ話をした。
「うたをうたってもインスピレーションがわかなくなった」というワン母の言葉は僕の心を締め付け、そのチリチリとした痛みが残響となって今も心のどこかで鳴っている。

一年という時の流れはあっというまで、何も変わらないかのような錯覚さえ見せることもあった。でも、ワン母は人前でうたうこと、そして名誉あるリック・ヤートの執筆から引退しようとしている。
彼女が笑顔でうたう、その姿が見られなくなる日が、いよいよ近づいているのだと知った。

ではワン母が残したいものとは…。
ワン母が呟いた引退



前回の旅のエピソード。

いつもなら春節にあわせてワン母のもとに帰っていたけれど、今回は親戚でもある僕の友人が結婚するということで早めに村を訪れた。
残念だったのは、ワン母が人前でうたを歌う姿を見ることができないことだった。
毎年春節になると、この地域のタイ族の人びとは盛大な仏教儀礼を行う。例えば、村の寺院の新築儀礼だったり、各家庭で仏像を寄進する儀礼を催したりする。ハレの日を記念するために、多くの人たちがワン母たち民間歌手を招き、祝福のうたをうたってもらう。

ワン母はもう65歳をすぎた。この地域でも女性は長生きだけれど、十分に老人とみなされる。それでも、これまでずっとうたを歌い続けてきた。もう十年以上、不眠症でもある。一日よくて3時間くらいしか寝むれない。そのため、あたりが暗いうちから起きて、机に向かって人に依頼された詩を書いている。

それもそろそろ終わりだろう。

最近は、簡単な仕事を弟子(といっても50台半ばの男性)に任せ、弟子が書き上げた詩を添削するくらいになり、静かな深夜に難しい経典を読んでいる。

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ある日、ワン母は僕に引退を宣言した…。

シャマンと対決する 4


僕らは先に彼女の実家について、彼女がこちらに来るまでその家族となごやかな雰囲気のなかで談笑した。

僕は初め不安だった。
シャマンが守護霊を憑依させて日本語をしゃべるなんて、ありえない...。
もし、僕がそのことばを解らなかったら、シャマンあるいは彼女は怒り出すんじゃないのか?

運転手は気にしなくていい、と言う。
ワン母も同感で、
「もし彼女の嘘がばれたら、それは善いことだ。誰もだまされなくなる。」

運転手は
「彼女は本当に信じているんだ。自分に憑依する守護霊が彼女の身体を借りてしゃべることばが日本語だって。もし日本人のおまえが聞いても解らなければ、彼女も考えるだろうさ。俺は正直言うと信じないけどね。」





 
 
 
 
 
 
 
 

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