中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
お知らせ
 
 ☆ 国立民族学博物館にてマルチメディア番組『徳宏タイ族のうた』公開中
    (2010年6月より みんぱくビデオテーク)

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哭きうた その3 シャーマンの交感の技法

ここでよく紹介するシャーマン、タイ族語でザオモーやヤーモットとよばれる人びとも、さまざまな儀礼のなかで哭きうたを歌う。

ヤーモットが哭きうたを歌うのは、ある儀礼の機会において、精霊や特に死者をその身体に憑かせるときだ。「憑依」といえばわかりやすいかもしれない。

ヤーモットは守護霊の助力を仰いで儀礼を実施し、精霊や死者に呼びかける。呼びかけられた死者はヤーモットの口を借りて別れの悲しみや心残りを哭きうたで語りだす。そのとき、ヤーモットの身体はぶるぶると震え、苦しそうな表情で、感情が高まると涙を流す。哭きうたを聴く人びとは、はじめ遊技的に、ヤーモットを冗談でからかったりするが、死者の哭きが続くと冷やかしは「なさけない」「やめろ」といった叱責になり、やがて止めどなく吐露される死者の言葉につられて涙をながす。

笑いが怒りに、怒りが悲しみになる。

信仰のない者にはヤーモットの哭きは迫真の演技として受け取られるだろう。だが、ここでは人びとの信仰に根ざした世界観を前提として、死者がシャーマンに憑いて哭きうたを歌うという「憑依」の技法にふれたい。



 
 
 
 
 
 
 
 

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