中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
古代の琴の音


先日、淡路のアジア図書館にお招きいただき、演奏してきました。
ひさしぶりのトークと演奏、そして一般に初公開の映像作品「こころに架けることば:リックヤートの創作と朗誦」でしたが、演奏曲がすくなくなってしまいました。

今回は楽器も久しぶりに古代の琴「ピンピア」(pin pia)をお披露目しました。

このピンピアという楽器について、すこし紹介しておきます。



こちらはおそらくチェンマイ大学の学生さん? この部屋はたぶんそう。
ピンピアとは、北部タイ、ラーンナー王国に伝わる弦楽器です。

演奏方法は非常に難しく、ラーンナーの楽器の中でもっとも難しい楽器とされている。
ピックなどは一切使わず、指先あるいは爪で軽くはじいて音を出す。

右手の人差し指の付け根辺りを弦に軽く触れ、爪で絶妙のポイントをはじく瞬間に離す。
ハーモニクス(倍音奏法)奏法を基本とします。
一つの弦で右手だけ用いるとドとソ、さらに高いドやソがでます。

単に音を綺麗に出せるようになるためには、何年も練習しなければならないといわれています。
音階はさらに難しい。


音源を聴いていただけばわかるように、非常に柔らかく、優しい音色、響きが特徴です。
実際には非常に音が小さく、ライブなどには不向きの楽器です。
近年はマイクで音を拾って演奏する若者もでてきました。

弦は1弦、2、4、6、など様々あるが、一般的には2弦と4弦が多く用いられている。
ココナッツの殻に共鳴させて音を増幅、またビブラート、ちょっとした音色の変化に用いられます。

演奏しているお兄さんがなぜ、上半身裸なのか、というと、
このヤシの殻が音の共鳴のポイントであるので、服を着ていると、服と殻が擦れる音がしてしまいます。

また、この楽器はカンボジアのアンコール遺跡の壁画や、インドなど東南アジア、南アジアの壁画に彫られていて、その起源が非常に古いことがわかります。
インドではTuila、カンボジアではKse Dievと呼ばれ、ヤシの殻の変わりにヒョウタンが用いられることが多いようです。
カンボジアでは、残念ながらポルポトの虐殺で演奏技術はほぼ途絶えてしまったといわれていました。
(近年は復興活動が行われ、Youtubeにて老人の演奏が視聴できます)

タイ北部においても伝承が危機的な時期があり、70年代には演奏者が数名をかぞえるほどだったといいます。
その後、ラーンナー文化の復興活動が若者を中心に盛り上がり始め、90年代には伝統を受け継ぐ若者が増え始めました。

楽器先端の金属製のヘッドには、様々な伝説の動物などがロストワックス法で制作されており、古いものはアンティークとしてコレクターの間で高額でとりひきされています。

pia satoru
こちらは鳥と象が合体した動物のヘッド。銅製。僕の2弦ピンピアです。


さてさて、
ライブではお話しましたが、この楽器、古代は女性が上半身裸で演奏したもの。
音が小さいため、神や王に奏でたといわれています。
女性が裸で、というのがポイントです!
なぜなら……。

かつては男性が夜に思いを寄せる女性のために演奏されたとか。
枕元でこんな楽器をポヨーンと演奏されたら気持ちいいんでしょうね。






コメント
ギターでいうところのハーモニクスだね。女性がハダカでというのは、やっぱり胸をつかってミュートだろうな。なんてマジメにあてずっぽうしてみる。
 
 
2010/10/29(金) 03:49 | URL | 亮介 #-[ 編集]
Re: タイトルなし
ハーモニクス奏法はあたりです。ギターほど簡単には出ないところ、出る音が限られているところが、頑丈でないこの楽器の欠点かもしれませんね。

女性が裸で演奏するのは…違いますねー。ひみつです。
 
 
2010/10/29(金) 08:34 | URL | サトル #-[ 編集]
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