中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
先日、昆明でタイ族の友人と一緒に作った「ひょうたん笛」を携え、徳宏州ルイリーのある村に行った。

これまで、僕は何度もこの老人を訪れている。今回は実に数年ぶりの訪問だった。

このむらは別名、「有一個美麗的地方」と呼ばれ、「ひょうたん笛」(葫芦絲、フルス)の大きな彫刻がある。雲南省でも有名な民謡で、とある作曲家が作曲した「有一個美麗的地方」という歌の故郷である。

時間がたつにつれ、ルイリーの町並みも変わってきた。
ひょうたん笛の彫刻も古くなった。
老人が住む村は今も土ぼこりが舞う。それでも太陽光発電のシャワーをつけていたり、少しずつ変化している。
僕らも、今までは友人のバイクを借りたり、若かったなぁと振り返る。
今回は友人が中古車を買ったので、その車で移動できた。
便利な時代、いや、僕らも齢をとって生活が豊かになってきたというのだろうか。

老人もだいぶ齢をとった。もうじき70歳だ。
年を重ねると、年々その老いのスピードが速くなっているようなきがする。顔の皺も、手の皺も増え、身体の肉も落ちて皮だけになっていく。
数年前訪れたときは歯が抜けて、痛がっていた。
今回、訪れると、「あの時は歯が抜け落ちて大変だったけど、いまは入れ歯を作ってご飯もきちんと食べられる」といっていた。

今も、タイ族の古い曲「サルウィン川の歌」を歌ってもらうと、恋の歌詞を歌ってくれる。
かつてはビルマ国境近くの村に住み、若いときはビルマを旅したという。そんなときの思い出なのか、

「お前を愛している、もう3年になる、お前のいとしい顔をみれなくなって、もう3年になる、・・・」

久しぶりに会えて老人も喜んでいた。
そして、僕は昆明で作ったひょうたん笛を渡した。
前回は別の地域のひょうたん笛をもっていったが、結局構造と音階が違うため演奏できなかった。
今回のひょうたん笛は僕が北タイの老人から教わった作り方で制作したものだ。

「演奏できる。音も同じだ。ただ、齢をとった。息が続かないなぁ」

おもむろに、4,5年ぶりだといって笛を演奏し始めた。

老人が演奏したのは、
「ルイリーの歌」。いまも歌い継がれている即興の歌だ。
残念ながら「サルウィン川の歌」は演奏しなくなって時間がかなりたってしまったためすぐには演奏できなかった。

数年前までは、老人になったし、趣味でひょうたん笛をよく吹いていたという。
でもある日、ビルマの親戚が老人のひょうたん笛を持ち出したきり、戻ってこなかった。

僕はこの笛を老人にプレゼントした。

老人は喜んで、
「今度来たときはもっとうまく吹けるようになって、おまえに聴かせてやろう。」
と言ってくれた。


menglim01.jpg

コメント
いいねえ。俺しかコメントしてないのが、気にかかるが(笑)是非ともいつか本にまとめてください。暇があったら、君の足取りをこっちで勝手にまとめてサイトを立ち上げたいくらいだよ。一度、地図付きの年表つくってみたら?
 
 
2007/01/12(金) 15:04 | URL | 亮介 #-[ 編集]
旅の年表ね、ちなみに。
 
 
2007/01/12(金) 15:05 | URL | 亮介 #-[ 編集]
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