中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
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村の銀匠と銀の腕輪

まだ先になりそうですが、村の銀匠に憑いて映像作品にまとめたいとおもっています。

以前にもちらほら銀細工について書いているので、今回は実際にどんなふうに打っているのか、簡単な映像にまとめてみました。



リズムよく音を鳴らす工具さばきに、じっと見入ってしまう。
下地もなにも書かずに、想像をそこに具象化させるわざ。

まだこの世界に存在しないもの、認識のそとにあるものを、今ここに現前させる。職人や芸術家の創造力とそれを実現するためのわざの面白さに魅了される。
見た感じ、とてもゴツイ腕輪は手に持ってみると意外と軽く、それもそのはず、中は空洞になっています。
紋様を打つために、最初は銀腕輪のなかに鉛を溶かして流し込んでおきます。

このときは日本からもってきた純度99%の銀であったため、匠はやわらかすぎて打ちにくかったといっています。

この腕輪は男性から女性に結婚の証としてプレゼントします。身に着けるのは結婚式や特別な儀礼くらい。一生になんども身に着けることはないようです。

silver.jpg  IMG_3492_ok.jpg

映像のなかの匠は僕と同世代の職人です。
下の写真の作品は彼の師匠に打ってもらった物で、さすがに紋様の打ちも細かく表現されています。老職人はほとんど引退しているので、一対の腕輪を打つのに3日くらいかけます。
僕の友人は1日一対がやっとだそうです。

Silver_3044.jpg


すでに、誰も依頼しなくなった伝統的な銀細工は数多く、ここにあげたものはその一部でしかありません。

silver 002 (1) silver 002 (2)

上左は髪飾り。右は石灰やタバコ入れ。女性がビンロウを噛むのに使用しました。

silver 002 IMG_4007.jpg

左はボタン。右は腕輪。こちらは中身も銀そのままで、ずっしりと重い。

ほかにブローチやボタン、大きめの煙草入れなど、多くあるのですが、現在では打てる職人は州全体でも片手で数えるだけです。
いろいろ作ってもらいたいところですが、忘れてしまっていたり、他の注文に忙しく、どこまで技術を保っているのかはっきりしません。


* * * * * * * * *

銀細工は繊細なものかとおもいきや、炭を燃やしたり、重い金槌を振るったり、予想以上に力仕事が中心だ。
ほどよく強く込められた力が、光と音をとばす。

日本の銀をつかって腕輪作りに挑戦し、いつもどおりのわざを振るう若き職人。彼は油断した。
銀は柔らか過ぎてイメージどおりの姿に現れず、失敗した。
彼は半日を無駄にしたけど、より深く銀と対話して、もう一度塊にもどして一からつくりなおした。


どの国でも土地でも、最近はもっぱらできあいのもの、与えられたものを消費するだけで、生み出す力を失いつつある。
日常のちょっとした工夫にもつうじる想像・創造力の面白さ。
イメージを具体的に実現できるようにするために、時間をかけて手仕事の熟練度をあげていく。
具体化が失敗しても、何度でも挑戦して理想に近づけようとする。悔しかったり、楽しかったり、まわりの人びとといっしょに考える。そこにあきらめないことの秘訣が隠されているようだ。
自分の身体で体験してみると、ものづくりがいつの時代でも色あせない魅力を秘めていることに驚かされる。ものを生み出すたびに、新しい発見があるから。

cIMG_0696.jpg
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