中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
毎回、徳宏州に行くたびに訪れる人のなかに、徳昴族(パラウン)のおじいさんがいる。

もともと政府で働いていた役人だが、とても気さくで笑顔がかわいらしい。
このおじいさんの家族もみんな仲がよく、ほのぼのとする家族である。



民族衣装を着て写真。

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息子が4人、と娘が1人。
今年の春、娘が結婚し、残るは3男と末っ子の四男となった。まだ若いのでいつ結婚するやら、今は徳昴族が居住する三山台と芒市を往復するタクシーの運転手をやっている。いつも食事はいすに座らず、ご飯をもったお椀におかずをどどっとのっけて食べるのである。座ると食事がお腹に入らないとかいう。

結婚したばかりの娘さんは看護師で、新婚さん。漢族のだんなさんがいる。新婚さんがとる2人のラブラブな写真を見せてもらう。
さすが、モン・クメール系の血。瞳がくりっとして鼻が高いので写真写りはとてもきれい。

3男はダムで働き、彼女募集中。これまた気さくな男である。
次男は芒市で働く医者で、がっちりとしてハンサムである。一児のパパである。去年生まれた娘がかわいくてしょうがないらしい。奥さんは漢族。

長男とその奥さんは地方の町で働きに出ている。そのため、小学4年生になる息子を家に残しているのである。
この子はやせっぽちで恥ずかしがりやだが、ちょっとたれめのかわいらしい男の子だ。大のおじいっちゃん子である。

みんなモンクメール系の人は身体ががっちりしていてハンサムである。
もしくは、瞳がくりっとしていて、目鼻立ちがしっかりしている。


夕食は家族が駆けつけにぎやかな、僕の知り合いのおじいさんの家。
このおじいさん、やはり僕のの先生の一人である。

出会いは、もう9年前だ。芸術学院の先生とフィールドレコーディングで初めて徳宏をたずねたとき知り合った。

役人でありながら、うた、、踊りともできる三拍子そろった芸能者だ。文革が終わってまもなく、北京政府に呼ばれてうたや踊りを披露したこともあるという。

徳昴族のブロイ」の物語を語ってもらったことが印象に残った。
そして、タイ族のひょうたん「ビーラムダオ」(フルス)とは違った、素朴で、か細い美しい音色に心打たれた。
それから、毎回、この地域を訪れるときはこの先生の家に来る。

よく、山の上にも連れて行ってもらった。村で聴くひょうたんの音色はなんともいえない。

の音がか細く、「ズズズッ」とさわりのきいた音色で、
音楽ではない、自然の音、サウンドスケープと溶け合ったハーモニーが聞こえてくる。
夜、「闇」は空間に隙間が多くなる。虫や動物の合唱が聞こえるのだが、実は音の隙間も多くなる。
笛の音はそんな隙間をぬって聞こえてくる。
小さい音量の音楽が、しゅっと、自然の音と溶け合い、
壮大な、それでいて落ち着いた自然のハーモニーとして聴こえてくる。

タイ族の村では味わうことのできない感覚だ。

旋律やうたも、ちょっと悲しい感じで、非常にゆったりとしたもの。
「かえるのうた」のように周りの人が歌い手の歌詞をまねする。
まったりと延々と続く循環的なメロディーと声の重なりを聴いていると、別の世界にいるよう。

これもまた、旋律の抑揚をはっきりとさせ、一人で明るく歌うタイ族とは違うのである。

さて、
先生の家は、いつも家族や山から下りてきた親戚でにぎわう。先生も奥さんももともと山で生活していたが、文革以後、政府のある部門に就いたため、都市部に生活の場を移した。

親戚はみな山にすんでいる。やってくるおじいさんやおばあさん、中年の女性はいまも手織りの布で作った民族衣装をきて生活している。
先生の奥さんもやはり民族衣装を着て生活している。なんでもスカートだけは徳昴の布でないとだめらしい。

家族を大切にすることは当たり前で、人を助けること、人に優しくすることが、生きるなかで最も大切なことだと言う。
めんどくさがりの漢族の役人や警察とも、マイペースな口調で自分の話に引き込む、その技はなかなかのもの。

そして、モンクメール系の独特な「のど」を使った発音の言葉をきくと、かわいらしくてしょうがないのである。

夢や虫の知らせで、ぼくが来ることに気づくらしく、「おまえのことをちょうど考えていたところだよ」といってくれる。
というわけで、訪れると、いつも酒盛りが始まるのだ。
そして毎回、「秘蔵の酒」が登場する。

そして、発酵食品をつかったパラウンの料理が出て来るのだ…。

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写真は今年の春節で先生と老人を訪れたときにとったもの。春節は漢族の文化だが、中国側のパラウンの人々はこの祭りを過ごす。また仏教を信仰するため、タイ族文字も読め、結構タイ族語も達者である。

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つづく

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