中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
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日本人の音の好み、中国人の音の好み、異なる地域の音のあり方は空間と関係している。
日本人は紙と木の家にすんでいた。中国の各地ではレンガの家、もちろん多くの民族の村では竹や、木材の家に住んでいた。

僕の知っている低地にすむ少数民族の村の音の大まかな配置は:村落、居住地域には猫や豚や牛や馬、鶏が鳴き声を上げる。村落の周縁、川辺では犬やアヒルや鴨が鳴いている。田畑ではさまざまな鳥が飛び、鳴き声が聞こえる。そして村落と田畑森を囲む山や森ではさまざまな動物と精霊が鳴き声を上げる。
この村のほとんどの家は土レンガや泥壁の家だ。ごく一部では竹を縦に細かく割って作った壁の家がある。こんな家なら話し声は外にばればれだ。有名なバンブーハウスに住むような人たちの話し声はとても小さい。そして聴力がとてもいい。僕には彼らの話し声が小さすぎて、そして特に夜は虫や動物の鳴き声が轟々と耳に響き、人の話し声と混じって聞き取りづらかった。今も急に虫の鳴き声のしない都会、騒音に負けない声を出す都会からそういう村に行くと、はじめは人の声が聞き取りづらい。
そして夜という闇の中はあまりにも多くの音がありすぎる。

土レンガの家の村も、竹の家も、建物のほとんどは「隙間」だらけだ。熱帯地域だから、もちろん冬はさむいが、もともとは屋根があって雨をしのげれば十分だったのかもしれない。家の中にいても、外の家の近くを歩く人の足音が聞こえる。その人たちが話していると、もちろん聞こえてくる。家の中の声も、不注意だと外に漏れてしまう。家の中と外がつながっている、という感覚を覚える。障子やふすまのように壁で内と外をさえぎることはできない。

村のおじいさんにひょうたん笛をつくってもらった。
囲炉裏の上にいぶしておいてあった竹を取り出す。煙の匂いが染み付いた竹で心地よい。
久しぶりだから、と、午後からずいぶん時間がかかって夕方になってようやく完成した。完成したひょうたん笛はお坊さんになって還俗した人から、煙の匂いの立ち込める囲炉裏端で、リードの部分にお経と何かのの呪文と囲炉裏の灰、つばを降りかけられる。
そして、その楽器から聞こえる音は、チリチリと、カサカサ、キリキリ、ざらざら、さわさわと「サワリ」の聞いたか細い音だ。都会で一般に売られている楽器の音とはまったく違う。

こんな音がかつては夜中に外から聞こえてきたという。

家の壁はもちろん、虫や動物の轟々とする鳴き声の隙間をぬって、しゅっ、と心に入り込んでくる。

夜の道をあるくと、見たことのないほどの数の蛍が飛んでいたりする。
月明かりの森の中を歩くのは友達にとっては簡単なこと、でも都会で育った僕には難しい。暗闇の中で歩くときは目ではなく、耳が頼りになる。それがよくわかった。蛍の美しい小さな明かりに気を取られていると、すてんと転んでしまう。


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