中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  

細工

雲南やビルマ、タイ、ラオスにはさまざまな細工がある。精巧さでいえばタイの職人は技術がしっかりしている。ここ徳宏の人々も結婚式や葬式ではは欠かせないアイテムのひとつ。

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はあるときには仏像の心となる。寺の柱や仏塔の基礎にはグン・サンタットとして白く輝くを埋める。あるときには家の梁に命を吹き込む。そして死者にはの粒が7つ、口に含まされて埋められる。また、地域によっては亡くなった両親の口に含ませた銀を息子たちが指を入れて探す。見つかれば子孫繁栄、みつからなければその親は財産をあの世にもっていった、ケチだった、なんて言われる。

それから、子供を悪いピーからまもるための魔よけにもなる。女性たちのおしゃれのためにボタンや髪飾り、ピアス、ビンロウをかむおばあちゃんのための石灰小箱。もちろん、かつてはひょうたん笛のリードにも銀は使われた。
そして銀は結婚するときに男性が女性に送る腕輪となる。

というわけで、今回僕は日本でを1キロ購入し、徳宏に持ってきてさまざまな細工をつくってもらった。日本で購入したのは現地でを買うよりも安いから。現地ではビルマのある地域の売人が数キロ単位で職人に直接売りに来る。値段は国際相場とはあまり関係なさそうだ。

今回日本からを持ち込んで打ってもらったところ、ビルマから来るは純度は高いが90%強のもの。日本から持ち込んだはsilver999.9で、職人からすれば未知の物体だった。というのも感触は非常に柔らかく、力や火の加減が普段とは異なること。

こちらでは銀を計る単位が少々異なる。漢族なら銭(5g)、量(50g)、斤(500g)と一般的な軽量なのだが、タイ族の人々はテェ、ホァン、といった言葉をつかい、ホァンは50gより少ない。軽量の秤は職人用のものでビルマやタイでもかつて共通したものだ。

今回は4ホァン(150g)を職人に持ち込み、結婚指輪ならぬタイ族の結婚腕輪をつくってもらった。
年々職人は減っているが、結婚する人々は毎年多くいる。そういうわけで、職人によっては近隣の村や盆地から来る依頼人がおおくて休む暇がない。特に春節前は結婚式ラッシュである。僕の友人の職人は先月、先々月は1日1対のペースで毎日打ち続けたという。

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価格は銀を持ち込めば50から60元でうってくれる。芒市のような会社化、組織化した職人たちにもっていくと300元くらいとられる。

作り方の工程はどのくにも似たようなもので、炭火で銀を溶かし、金槌で打って平たく伸ばし、(腕輪の中は空洞なので)円錐形に丸め、泥水を塗って鉛を流し込み、腕輪の形に打ち丸め、そして模様を打ち込み、打ち終わったら鉛を溶かして取り除き、最後はパパイヤの水に一晩つけて銀の輝きを取り戻す。

ある年老いた職人がいた。僕は老人たちがかつて使っていた石灰を入れる小箱が欲しくて依頼しに行った。僕の友人の師匠で40年以上のベテランだが、目が見えなくなってきて、打つのは遅い。それでもさすが職人、仕事は僕の友人よりはるかに丁寧で美しい。「心を打ちこむ」そんな感覚がこの老人にはあるような気がした。

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