中国雲南、タイ、ラオス、ビルマの人、生活、そして音楽。 ひょうたん笛(葫芦絲)演奏者が綴る「おと」、「ことば」  
お知らせ
 
 ☆ 国立民族学博物館にてマルチメディア番組『徳宏タイ族のうた』公開中
    (2010年6月より みんぱくビデオテーク)

 ☆ 「これまでのライブ履歴」

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妖術のにおい ③


もうひとつの噂話は、僕が竹細工を習っていたイェサムじいさんの妻についてだった。イェサムじいさんは、とてもいい人なのだが、この奥さんはとても口数が多く、文句や不平をよくこぼす。

この女性の文句や不平は村でも評判で、僕がイェサムじいさんから竹細工を習っているときも、周りから「あの口うるさいばあさんと付き合うのは大変だろう」と言われたものだった。いつだったか、日本に一時帰国して立派なお土産を持って訪問した後日、他の村人から、そのおばあさんが「私はアーイバオ(僕のこと)から日本の『五円玉』を貰っていない」という不満を口にしていたことを知った。猜疑心も強いおばあさんは、たまに家の門の前に石灰で結界をはって悪いピーが入らないようにしたりする。ワン母は「今の時代は皆気にしなくなって入るが、ああいう女性がピープーだって皆が噂するんだよ」と僕に言った。


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写真: 街中の一本の木。
あるとき、道路拡張のために伐採される直前、木の精霊(?)が住人に憑依し、呪いの脅しことばが語られたという。


妖術のにおい ②


僕が住んでいた徳宏地域には、建国まもなく強制的に解散された村が二つあった。かつてその村は、ならず者やピープーが流浪の果てにたどり着く村だった。政府は、社会主義的平等の実現のため、ピープーを迷信として宣伝し、迫害を受けていた人びとを各村に分散させて住まわせることになった。僕が住んでいたD村にも、それらの村が解散された後に移住してきた家が2,3軒あったという。

村人たちはピープーなんて迷信だ、といって一笑するが、果たして本当に忘れさられてしまったのだろうか。災害が起こっても、問題解決は政府の介入や政治組織による合理的手段にとってかわられ、日常生活からはピープーに災因を求めることはなくなった、かのように見える。表面的な言説に立ち現れるのは、迷信という語だ。しかし、人びとと生活を共にしていると言説と矛盾した実践がかいまみれた。


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写真:2008年4月、ワン母と僕を含めた4人が日本に公演に行く前。
  ワン母の民間芸術団のメンバーのひとりは精霊を憑依させることがある。
  この日は、「7つの清水の精霊」(ワン母を守護する精霊だという)に供物をささげた。
妖術のにおい ①

かなり昔から、タイ族社会の「おばけ」には、人を呪う生霊がいると噂されていた。そのような生霊は漢人たちから「皮琶鬼」とか呼ばれていた。「皮琶鬼」とはタイ族語で言う「ピー・プー」のことだ。昔から雲南の徳宏や西双版納など亜熱帯地域は山に囲まれ、豊かな森や動物があり、朝には晴れることのない霧がたちこめ、そして毒や得体の知れない物の怪が棲む地域と考えられていた。数々の妖術や、妖術を帯びた蟲が存在しているとまことしやかに語られていた。そして、特に生霊の噂は中国建国まで語られていた。


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写真:家のカミにささげられた供物。
  3つの鉢は3人の独立した息子たちの家の守護霊にささげられる。
カチン族のおまじない

311の地震があったとき、カチン族のコン父が僕に教えてくれた。
カチン族のあいだでは、地震は大地の下の世界に住む祖先たちが天井をたたいているためだそうだ。

「誰かいるか?」

だから、地震があったら、応えなければならない。


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何が「芸術」で、何がそうでないのか


3月11日以来、自分に何ができるのか、と自問自答した日本の、世界の人びとは多かったでしょう。

芸術家や芸能人、文化人は自分に何ができるのか、と自問自答し、さまざまな行動をおこしている。

消費社会のなかで、あらゆる「もの」は、記号として消費される運命なのですね。
弁明さえあれば、それは商品になるというのだろうか。

http://hikosaka5.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-1
http://hikosaka5.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
他にもあるがこれ以上はよそう。
これはチャリティー作品と作者はいう。「作品を販売した収益の全額を東日本大震災の義援金として寄付いたします」というから、これは「良い事」なのだろう。

僕は心を痛めてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 

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